ラブラドールレトリーバー

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「この子ください。」 突然だった。 その人は店に入ってくるなり3分ほどで ラブラドールレトリーバーの購入を決めたのだ。 「お客様、抱いてみたりなどしなくてよろしいのでしょうか…?」 「いいです。ください。」 私は不安になった。 連れて帰ったはいいものの、 「やっぱりいらない」などと言われたらどうしよう。 動物はモノではないのだ。 ちゃんと心があり、考える力があり、感じることも出来る。 人間と同じ。 …結局その人はラブラドールレトリーバーを連れて帰った。 「店長…さっきのお客様、大丈夫ですかね…?」 「多分…なに言っても譲らなかったし、一目惚れじゃないかな?」 「一目惚れ…うーん…不安です。」 「まぁまぁ、直感てあるでしょ?だーいじょうぶだよ! 本当に愛ちゃんは優しいもんな… 愛ちゃんに愛されれば、みんな幸せになるよ! …俺もね!」
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