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…滝くんの顔が見れない。
きっと今ので怒ったに違いない。
「……」
「……」
無言の時間。
私はふわふわちゃんと離れたくない一心で目を瞑った。
「にゃあ!」
ビクゥッ!
突然大声で鳴いたふわふわちゃんにびっくりして、
自分の胸元にいるふわふわちゃんに目をやる。
するとふわふわちゃんは私の後ろを嬉しそうに見ていた。
「あ、ねこちゃんだー」
ビクゥッッッ!!!
先ほどの三倍ぐらいびっくりした。
滝くんが私のすぐ後ろからふわふわちゃんを覗き込んでいたのだ。
「あいちゃんのねこ?」
私は考えて、無言で首を横に振る。
「じゃあ…あいちゃんの友達?」
…友達…。
私はふわふわちゃんを見つめた。
大きな、綺麗な瞳と目が合う。
”友達だよ”
ふわふわちゃんがそう言ってくれているような気がした。
「…ともっ…友達…!」
声に出して言ってみた。
嬉しいような恥ずかしいような。
ふわふわちゃんを見て、自然と笑みが溢れる。
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