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近所の人だ、顔見知りもいる。
何度も挨拶を交わした人も、いつもおすそ分けのおかずをくれる人も。
犬の散歩が趣味なおじいさんも、縁側でお茶をご馳走になったおばあさんも、この春に大学に受かったんだと嬉しそうに笑っていたお姉さんもお兄さんも。
まだ小さい妹を可愛がる今年小学六年生の男の子も、ゲームが好きなんだといつも面白いゲームの話をしてくれるけど、基本的に部屋から出てこないんだというおじさんも。
絵を描く事が好きなんだと、笑って素敵な風景画をプレゼントしてくれたおばさんも。
みんな、みんな......死んでいた。
ある人は、頭をぐしゃりと潰して。まるでどこか高い所から落ちたかのように。
ある人は、身体が真っ黒になるほど焼け焦げて。まるで頭からガソリンでもかぶって火をつけたかのように。
ある人は、身体中がぶよぶよにふやけて。まるで何年も水の中に沈んでいたかのように。
ある人は、ある人は、あるひとは......。
ミカは腰を抜かす事も忘れていた。
瞬きすら忘れて、眼球が映し出す目の前の光景を眺めていた。
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