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いくつもの死体が転がる道をミカは歩いていく。フラフラ、よろよろと。
どこへ行って、誰に助けを求めればいいのか分からなかった。
道の向こうに交番が見えて、ホッと息が漏れる。交番の中で人が動いたからだ。ミカは道を挟んだ向こう側に向かって叫んだ。
「すみません、助けてくだ」
............パァン............
ミカの声は、耳をつんざく破裂音で遮られた。続いて、ドサッと倒れる人影を見て立ち尽くす。
おまわりさんは、頭から血やら脳みそやらを撒き散らして倒れていた。焦点の定まらないひっくり返った眼球がこっちを見ている。
ミカは今度こそ本当に、誰に頼っていいのか分からなくなった。
どうしてこんな事になっているんだろう。そんな事が頭の中でループして、壊れたCDみたいにくるくる回っている。
ミカは交番を横目に、また歩き出した。目的地なんて当然無いし、家にも帰りたくない。どこに行ったらいいのか、分からない。
こうして歩いている道にも、まるでそれが当たり前のように死体が転がっている。だんだん見慣れてきた自分が恐ろしくて、気色悪かった。
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