卒業式後

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 ◇◆◇◆◇ 俺「おっいたいた。隠れるのメチャメチャうまいな」 成人俺「おう、その様子だとうまくいったみたいだな」 俺「うん。この本見せたら江田さんがえらく反応よくってさ、俺テンパって一気に告白までして付き合うことになった。これも全部俺のおかげだよ」 成人俺「そうかそうか。結果までは保証できなかったからよかったよ。その本はこの時代じゃマイナーだけど映画化からベストセラーまでいく名作で、江田さんSF好きなんだよ。内容をメモにして見所と考察もまとめておいたから渡しておくな。これからの会話に活かせよ」 俺「何から何までありがとう。俺、日本一のSFマニアになるよ」 成人俺「その意気だ。それで、江田さんは?」 俺「ああ、俺にお礼言わなきゃと思って、そこで待ってもらってる。江田さんのお母さんも一緒だったんだけど、気を利かせてくれたみたいで先に帰った」 成人俺「どれどれ。はぁ、制服の江田さんもいいなあ。懐かしい」 俺「あれ、そういや俺は江田さんとくっつかないウジウジ未来から来たんだろ? じゃあもう歴史は変わったんだから、さっきまでの未来の俺は消滅するんじゃないか?」 ウジウジ俺「パラレルワールドってやつだよ。俺がここでどう違う行動しようが、俺のいた未来に変化は起きないんだ。だからこの時代へ来て俺を助けたって別に俺が得するわけじゃないんだが、それでもやらなきゃ後悔はなくなりそうになかったんでな。おかげで今はスッキリした気持ちだよ。ちゃんとしてたらこういう風になれていたんなら、俺もまだ江田さんとうまくやれるかもしれないって思えてくる」 俺「あ、そうか。俺はまだ江田さんのこと諦め切れてないんだよな。あれ? そっちでの俺と江田さんの関係ってどうなってるんだ? 進路も違うしてっきりこの卒業で切れちゃってなんにも関係なくなると思って落ち込んでたんだけど、SFとか趣味を知ってるんだから仲は良くなったんだよな?」 ウジウジ俺「いやまあ……ハハハ」 俺「おい、まさか違法か。未来パラレル俺はストーのキング的な何かか」 ウジウジ俺「違うって、何てこと言うんだ。そういうこと言うなら俺だって江田さん意識して散々うろつき回って、それが校内に留まっていないことは知ってんだぞ。なにしろ自分のことだからな、隠し事して善人面できると思うなよ」
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