4人が本棚に入れています
本棚に追加
「先輩が!?あの清水美月さんなんですか!?」
多分俺の目はいままでにないくらい輝いているだろうな…とかそんなことを頭のどこかで冷静に考えながら、俺は無意識に先輩に詰め寄っていた。
「え、え?…あのってどの?」
「いや!!中1にして全国覇者の栄光を掴んだあのっ…」
そう言うと、先輩は目を伏せた。
なんだろうとは思ったけど、俺はとりあえず話を進めた。
「俺、あのとき小6だったんですけど、先輩の試合見てもうなんていうか…すごい感動して。あのペアの人との息の合い方とか!!憧れだったんです!!」
すると、先輩はしばらく閉ざしていた口をゆっくりと開いた。
「お、俺は…もう、テニスはやめたんだ」
最初のコメントを投稿しよう!