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やはり早朝だったため道は空いていて一時間ほどで病院に着いた。
車を降り急いで病室へ向かうと、おばあちゃんの静と、父の透、母知子が待っていた。
「思ったより早くついたわね。おじいちゃん、一応容態は安定したけど、まだ危険な状態だって。」知子が言った。
「そ、そうか。とりあえず安定したならよかった。もしかしたらと思って運転中もおちつかなかったよ。」英治はそう言って、二三男が寝ているベッドの近くの椅子に座った。
「お義姉さんたちはどれくらいでこれるっていってたんだ?」透が知子に聞いた。
「明美は、もうつくと思う。英治と距離はそこまで変わらないから。一男は30分ぐらいすればつくと思うわ。」
明美は知子の6つ上の姉で、二三男のことや看病している知子たちのこともなにかと気にかけてくれていた。
一男は知子の4つ上の兄で、やや強引なところもあり言動にもトゲがあるひとだった。子供にしかるときにも、やりすぎにもみえるビンタを食らわせていたのを見たことがある。
しかし二三男の見舞いにちょくちょく来ていたようで、家族思いなところはあるらしい
「咲さんは?」透が聞いた。
「ああ、あの子はどうせ遅れてやってくるわよ。子供つれてこなきゃだから、なんて良いわけでもしてくるんじゃない?」
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