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しばらくして、7時半ごろ明美がやって来た。 英治同様父親の無事に安心したようだがまだ緊張はなかなかとけないらしい。時々見せる笑顔がひきつっていた。 そして8時頃一男が、日向と次男のあかるを連れてやってきた。 すると明美が「あれ、あんたが子供たち連れてきたの?」と意外そうに聞いた。 「ああ、昨日あいつは友達んとこに出掛けてたから、俺がつれてきた。あいつもたぶんくるだろう。」一男はいつものようにイライラしているかのような口調で言った。一男の言うあいつとはもちろん咲のことだ。 「こういうときに限ってあの子はー」 そのとき病室のドアが開くと首にえりまきのように白いギプスを着けてキリンのようになった咲が入ってきた。 英治は一瞬吹き出しそうになったが、なんとか平静を装ってだまった。 「あら、なんか急に静になりましたね?どうかしました?」咲はまるでなにも感じていないように言った。実際なにも気まずさのようなものを感じていないのだろう。 「いいえ、何でもないの。ちょうど落ち着いて少し休めるかなってみんなゆっくりしてたから。」 明美が場の空気を変えようとひきつった笑顔で言った。
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