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わたしのパソコンの画面には
アイコンが6つ並んでいる。
スイ君、星歌、リューキ、
アーカリ、ベーコン、ロミオット…。
全員名前を聞いたことがある人だ。
「 はじめまして… 」
想定以上の人数に、
人見知りをしないわたしでもさすがにうろたえてしまった。
わたしは、パソコンの前に置いてあるペットボトルのお茶の封を開けた。
少しだけ飲んで、蓋をしめる。
それから蓋をあけてりしめたりだけを繰り返している。
「 これがスイ君の言ってた、お気に入りの子!? 」
突然の驚き発言に、つい手がとまった。
周りの空気がワァッとなる。
「 ちょっ、それ言わん約束やんけ!!!!! 」
スイ君の低い落ち着いた声が高く震えていた。
お気に入りって…?
わたしの手は、いまだに止まったままだった。
間髪いれずに女の子がつっこむ。
「 はじめまして。星歌です!
さーちゃん、気をつけやーね!こいつ女好きだから! 」
星歌さんは、女の人にしては低く、
大人を思わせる声だった。
紫と青がベースのアイコンと声がマッチしている。
お姉さんっぽい口調だったからか、わたしには姉のように感じた。
そこから、周りがワァワァとスイ君をいじる空気ができあがり、盛り上がっていた。
でも、私はそこに入れなかった。
初対面に近いこの場で、
いくら知り合いのスイくんでも
いじっていいかわからなかったからだ。
困惑して、ただあわせて笑っていた。
そんなとき…
「おい、おまえら。さーちゃんさん困ってんだろー。 」
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