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その人は、初めて言葉を発した。
その人の声は、
男声の域を超えない高さで、
かたい声。
それまでにも名前は何度か聞いたことがあった。
この中のメンバーのなかで、
一番気にかけていた存在でもあった。
恋が第一印象で決まるのなら、
声で堕ちることもあるのだろうか?
声をきいた瞬間に、
この人にもっと近づきたい
そう感じた。
「 はじめまして。さーちゃんさん。
おれ、SSSの頭領やってます、ロミオットと言います。 」
わたしは、目の前にあるペットボトルのお茶をもう一度飲んだ。
「よろしくおねがいします。
わたし、さーちゃんっていいます…――」
今までにないほどの明るい声で、わたしは答えた。
わたしと彼の悲劇のストーリーは、ここからはじまっていたのだ。
―――彼女がいると知ったのは、それから3時間後の出来事だった。
しかも、相手は同じSSSのメンバーの、
星歌さんだった…。
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