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この納得しきれない気持ちを
映画に行く前日まで消すことができなかった。
そんなとき、
ロミオットさんからチャットがきた。
他愛もない話からはじまった。
ロミオットさんは、5つ歳上の20歳。
高卒で一般企業に就職し、働き出して1年と少したったらしい。
それでもなかなか給料があがらず、厳しい世間を痛感しているだとか。
わたしも、自分のことを話していた。
15歳の高校1年生で、プチの話とか、進路の話。
大学はどこかとか決めてないが、とりあえず行きたいなとしか考えていないこと。
二人は、お互いに自分のことを話して確実に距離を縮めていた。
その流れで、互いの恋愛話に発展した。
切り出したのは、向こうだった。
[ ロミオット:さーちゃんは、どうなん? ]
[ さーちゃん:恋愛ってほどでもないですけど…… ]
ラリーのように続くやり取り。
そのテンションに任せてか、
普通に相談してしまった。
告白されたこと、
映画に行くこと、
納得しきれない気持ちがどこかにあること……。
[ ロミオット:今から、話さへん? ]
突然の誘いに目を丸くした。
戸惑っている間に話は進む。
わぁ!え!?うそでしょ。え?
部屋の中をぐるぐるあるいて、
とりあえずお茶をのんだ。
……パニック状態だ。
ロミオットさんとは、
Twitterで結構絡んでいた。
しかし、会議に入ったときそこまで話が弾んだわけでもなく。
そして、初めて通話に誘われた。
いいのだろうか。はなせれるだろうか。
通話となれば、ただの文章のやり取りとは訳が違う。
リアルタイムでやり取りするから、沈黙になったりする。
返す言葉、言葉を返すポイント、すべてを瞬間に頭で考えていかないといけないのだ。
……でも、ためらう気持ちよりも話したい気持ちのほうが勝っていた。
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