2281人が本棚に入れています
本棚に追加
「うぅ…もう立ち直れない…」
何が悲しくて年頃の乙女が、鼾かいて寝てる姿を見られにゃならんのようーっ!
ガックリと手をつくあたしに山崎さんは優しく、
「さて、顔を洗いに行きましょうか。その涎の後をキレイにしないといけませんしね。」
更に残念なお知らせを告げた。
口の辺りを袖でゴシゴシ拭きながら、カカッと頭から湯気を出す。
「もうっ!絶対わざとだ!!本っ当、二人共意地悪だよねっ!」
勢い良く立ち上がり鼻息荒くして出て行こうとしたところで、廊下から足音が聞こえた。
「うーっす、邪魔すんぜ。みや、平助は…」
「おっ、おはようさん。心配してたんだぜぇー…って、何だ?その面(ツラ)。」
障子を開けて入って来たのは左之さんと新八さんで、私を怪訝な顔して見ている。
「何でもないよ!洗面所に連れてって!」
二人の腕を両側に抱え、
「せんめん、何だ?」
「おいおい、どこ行」
「うっさい!さっさと連れてけっ!」
強制連行して部屋を出た。
許さん!!土方に山崎めっ!
勝手に見といて、乙女の寝顔にケチつけおってからに!
、
最初のコメントを投稿しよう!