2281人が本棚に入れています
本棚に追加
「…何よ、コレ…」
鼻と口を手で押さえ蔵の奥に眼をやると、生々しい血溜まり跡の近くに変色した縄や蝋燭、金槌が転がってた。
でもこの臭い…
まるでこっちのトイレみたいな…
これ以上進む事が出来ずに立ち尽くしていたら、
「勝手に入るんじゃねぇよ!」
「とにかく一旦こっから出ろっ!」
めちゃくちゃ怒られて引っ張り出された。
閉めた扉の前で、
「此処は昨日、拷問に使われたばっかでな。片付けも済んでねぇんだよ。」
「わきゃっ!?」
左之さんがそう言って、新八さんはあたしを肩に担ぐ。
「もー降ろしてよ!」
バタバタ暴れて抵抗しながら、やっと我に返った。
「え、拷問!?今、拷問っつった!?」
「言った。」
「何で!?」
「昨晩の情報を下手人から聞き出す為にな。」
「誰が!?」
「俺達だ。まぁ最終的には土方さんが締め上げて吐かせたんだけどよ。」
「もしかしてあの蝋燭とかは…」
「…ああ、足ん裏に五寸釘刺して、その上に蝋燭立ててから火ぃ付けてたぜ。」
「うげ…」
あの綺麗な顔で、そんな残酷な事したのか…
じゃあ、あれは…血と、失禁…或いは脱糞の…
「おえぇぇぇーーーっ」
想像するだけで臭いを思い出し、気持ち悪くなった。
、
最初のコメントを投稿しよう!