色魔退散!

10/35
前へ
/412ページ
次へ
「うおぁっ!?」 「吐くな吐くなっ!」 俵担ぎをおんぶに変えて、するりと降ろされた。 その場から離れ吐き気は何とか治まったけど、むうっと胃液が上がって来て気分が悪い。 「…拷問受けた人…死んじゃったの?」 「いんや、奉行所に引き渡したみたいだぜ。」 「調書とって獄送りだろうな。」 「獄?」 「お前のいたトコにゃねぇのか?罪人の牢獄は。」 「あ、そっか…牢獄ね、刑務所の事か…あるよ。」 そう言えばこの人達は警察みたいなもんなんだっけ。 さっきも稽古してるとこあったけど、あたしもやらなきゃいけないんだよね…。 そんな事を考えながら移動してたら、食欲をそそるお味噌汁のいい匂いがしてきた。 「そろそろ飯だ、中に戻ろうぜ。」 「昨日は握り飯に沢庵だけだったしよ、腹減ってしょうがねぇ。」 魚を焼く匂いもしてるから、今朝はまともな食事にありつけそうかも。 蔵の事は忘れる方向に切り替えて、二人の後ろに付いて行った。 、
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2281人が本棚に入れています
本棚に追加