色魔退散!

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案内されるがまま縁側を歩いていると、 「平助~っ!」 「のわっ!?」 笑顔の総司さんが前から滑るように走って来て、あたしを抱え上げギュッと抱きしめる。 「大丈夫?土方さんに何もされなかった?」 スリスリとほお擦りされているのに、擦れ違う隊士の人達も、 「おはようございます、沖田組長、藤堂組長。」 「ん、おはよ。」 「おはようございます、原田組長、永倉組長。」 「うーっす。」 「おう。」 この異常な状況を見事なまでにスルーしている。 昨日の夜もそうだったけど、ここの人達皆これが当たり前で公認されてるのか? 「寂しかったよ平助…やっぱり部屋に戻っといで。」 抱っこされたままの移動で、ご飯の並ぶ部屋に連れて来られた。 既に座って待っていた土方さんや幹部の人達も、平然と出迎える。 「はい、平助は私の隣で食べて下さい。」 「いいけど…少なくない?」 「…おかずが?」 「違う!隊士の人だよっ。」 「あー、あの人達は別室で食べてますよ。座敷に入りきらないから飯は分かれて食べるんです。ではいただきましょうか、皆さんお待ちかねですし。」 言われてみるとゴツい身体をした男達は、犬みたいにずっと行儀良く待っていた。 、
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