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近藤さんの『いただきます』と言う声の後、男達は一斉にがっつき始めた。
お膳の上には白米とさつまいもの味噌汁に小さなメザシが二匹、例によって沢庵もある。
見た目は粗末かも知れないけど、あたしにしたらタダで食べさせて貰えるだけで有り難いご馳走だった。
「遠慮しないで沢山食べてね。」
「しっかり食っとかねぇと、力が出ねぇぜ?」
まわりと比べてペースが遅いからか、両サイドから声がかかる。
「…朝からそんなに食べれないし、早食いは胃に悪いんだよ。」
気にせずゆっくり食べていると、
「そうのんびりもしてらんねぇぞ。飯食ったらすぐに残党狩りだ。」
新八さんの気合いが入った声がして、早々にご飯を平らげた人達が次々と席を立つ。
まだ半分も食べてないのに残ってるのは、あたしに付き合って待ってくれてる総司さんと左之さん、新八さんの三人だけだ。
「ご、ごめん。もういらない、ご馳走様。」
本当は全部食べたいけど申し訳なくて端を置いたら、
「気にしなくていいのに。…そうだ、良かったら合間を縫って団子でも」
「私と一緒に行きましょうか。」
「ぎゃ!?」
総司さんの言葉に被せて、山崎さんがいきなり降って湧いて出て来た。
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