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一緒に眺めていると、二人の指があたしに止まる。
「同衾の権利だな。」
「どうきん?」
新八さんがうししって変な笑い方をした。
同じ勤務で『同勤』かな?
「今日は山崎さんとって言われてるよ?」
「「「えっ!?」」」
何故だか凄い目で見られた。
「『今日は』ってどういう意味ですか!?」
「そりゃあおめぇ、『昨日』があったってこったろ!!」
「なんだと!?雅っ!誰と一緒に寝たんだ!?」
今度はあたしに対して鼻息の荒い三人が、山となり上から威圧してくる。
……寝た?
寝たって…ま、まさか…
『同勤』じゃなくて『同衾』かああぁぁぁーっ!?
そんな古臭い言葉でしれっと言われても、現代っ子だったあたしがすぐに気付く訳がない。
しかも『今日は山崎さんと…』って、余計な事を口走っている見事なまでのアホっぷりだ。
咄嗟に取り繕う術すら解らず、ただオロオロするばかり。
助けてくれるハズの山崎さんは、目が合った途端、
『ニヤァ…』
と悪魔のような笑みをして、
「昨晩は副長が添い寝されてましたし、今日は私と一緒に、ですか。…楽しみですねぇ。」
三人の間に割り込んであたしの手を取り、胸の中に引き寄せた。
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