奇跡は突然やって来る。

11/41
前へ
/412ページ
次へ
二人の間に挟まれながら、廊下や開けっ放しの一部屋ごとに、死体が幾つも転がっているのを見てしまった。 部屋を覗く為に止まる事はなく、どこで戦ってるのか音でわかるみたいだ。 奥まで一気に抜けて立ち止まり、中を見てまた愕然とする。 ここにも血だらけの死体がいっぱい…。 「近藤さん!総司はどうしたんだ!?」 私が固まる間もなく大柄な男が叫ぶと、部屋の上の方に同じ青っぽい羽織りを来た人が二人、背の高い誰かと戦っていた。 二対一でお揃いの羽織りの人達が優位とか、そんなんじゃない。 倒れてる仲間を庇ってるんだ…。 「わからん!いきなり倒れ、クッ!!」 斬り合いの中、返事を返そうとして相手に刀を振り降ろされてる。 「仲間か。多勢に無勢かな。」 「うおっ!?」 敵の男がこっちをチラッと見て舌なめずりした後、青い羽織りの男を蹴り飛ばした。 「近藤さん!?」 「この野郎っ!」 こっちの二人が同時に突っ込んで行こうとしたら、敵の男は倒れてる人に刀を向けた。 「いいのか?大事な仲間なんだろ?」 「クソッ!」 「卑怯者がっ!」 悔しがる男達を嘲笑い倒れてる男の胸倉をつかんで、無理矢理立たせて楯にしてる。 「動くなよ。動けばこいつを斬るだけだ。」 少しずつゆっくりと移動する敵の男。 動くなと言われれば動かないけど、あたし…凄くヤバくない? だって男が向かおうとしてる出口には、あたしが立ってるんだよおぉぉーーっ!! 、
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2280人が本棚に入れています
本棚に追加