色魔退散!

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街中で何すんだコイツは!? 池田屋の時、怖い人ってイメージだったのに… 双子の兄弟いるの?って聞きたくなる位、纏う空気も優しくて全然別人に思える。 そして、ハッと気付く。 「やり逃げかっ!」 身体ごと振り向くと不思議な事にもう姿がない。 騒ぎの原因はいないのに、辺りの視線だけは一身に浴びていた。 見られていたのかあたしの声が大き過ぎたのか、 「男色や。」 「嫌やわ、こないトコで。」 めっちゃ悪目立ちしてるし。 うわーん!ちなうっ!! いたたまれずその場から走って逃げ出した。 でももう、どこがドコやら全くわからなくなって… 「山崎さんの馬鹿タレーーっ!」 人気が少ないのをいい事に八つ当たりで叫んでみた。 すると、 「誰が馬鹿タレや!阿呆タレ!!」 「いだっ!?」 いきなり脳天チョップを喰らった。 あまりの痛さに頭を押さえてしゃがみ込むと間髪入れず、 「何で初っ端から迷子なってんねん!ようやっと見つけた思たら、えらいがむしゃらんなって走っとるし!!」 素で怒られた。 「だ、だって、いつの間にか皆いなくなってたんだもん。好きで迷子になった訳じゃないもん。」 「言い訳はいらん!何も知らんとからに勝手にウロつくな言うとんのや!解ったら返事しいっ!」 しかも口答えが気に入らなかったらしく、マジでキレたみたいだ。 、
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