色魔退散!

25/35
前へ
/412ページ
次へ
お昼ご飯も各々外で済ませる形だったんだけど、あたしはこっちのお金なんて持ってないから、結局山崎さんにうどんを奢ってもらうはめになり、肩身は狭くわ味わうゆとりなんてないわ… 見回り中は水分もロクに摂れず、夕方にやっと頓所へ帰る頃には足が棒のようになっていて、気分は三枚に下ろされた干物…みたいな感じ、かも。 早く横になりたいのに報告の義務があるとかで、山崎さんと副長室へ顔を出した。 「よう、……へばってんな。」 「…おかげさまでね。」 八つ当たりする元気がある訳もなく、ただうなだれる。 淡々と事務的に報告する山崎さんは最後に、 「やはり藤堂組長は留守を任せた方が宜しいのでは?」 と付け加えた。 「あー、そうだな。八番隊はおめぇが面倒見るとして…理由は何とでもつくか。」 これには土方さんも賛成せざるを得ないみたいで… だって迷子になったの、しっかりチクられちゃったんだもん。 「…じゃあ、ずっと外に出られないの?…そんなの牢屋と同じじゃん…」 「牢屋?何を言ってるんですか。あなたを守る為の苦肉の策なんですよ?留守の間、非番の誰かを捕まえて特訓でも修業でもして、さっさと強くなってもらわないと困ります。私が代わりを勤めるにも限度がありますからね。」 、
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2281人が本棚に入れています
本棚に追加