色魔退散!

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「このっ…!」 デコの生え際が広くなったらどーしてくれんだこのタコ!! 腹ばいのまま咄嗟に片手を振り上げぶん殴ろうとしたら、その拳すら受け止められて。 まさかのドアップ。 からの、 『チュッ』 ゆっくりと顔が離れ… 「…こーゆうこっちゃ。」 「…………うええぇぇぇぇーーーっ!?」 どーゆうこっちゃら!? 突然のキスに動けないのはあたしだけじゃなかった。 土方さんも青い顔してフリーズ中。 その後、ぽふっと胸に抱きしめられて、 「お前、油断し過ぎやねん。せやから…ドコの馬の骨とも知らん奴に、唇奪われたりするんや。」 ボソッと耳元で囁かれた。 ……え? 勢いよく上を見れば、山崎さんの不機嫌な赤ら顔がそっぽを向く。 もしかして… 「み、み、みみ、見て!?」 「見とったわ、ど阿呆。」 ぬあぁにいぃぃーっ!? 見てたなら助けてくれよ!! もう呆れてものが言えない。 けど… ちょっとだけホッとしてるあたしがいる。 あの人は池田屋から逃げた敵側の人間。 山崎さんは池田屋にいなかったから顔を見てないけど…もし知ってしまったら、あの人と殺し合いを始めていたハズ。 そんな事にならなくて良かった。 …とか考えてるのって、本当はイケナイんだよね… 、
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