色魔退散!

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その台詞を聞いて、どうして男って奴は後先考えず欲を満たすだけの自己中な行為をしたがるのか、不思議でならなかった。 生き物に生殖本能があるのは知っているけれど、せっかく人間に生まれたというのに、余りにもお粗末な脳みそじゃない? あたしの恋愛経験値なんてないに等しいものでも、この人達のやろうとしてる事は畜生と同等かそれ以下だと解る。 だから、あたしはあたしを守らなくちゃ… 息を吐いて整え、神経を集中させる。 誰にも助けて貰えない追い詰められた状況が、逆に迷いを断ち切れた。 練習も無しに初めて抜いた刀は、木刀より何倍も重くて… 握り直し自分の中で微調整していく。 「おほー、抜いた抜いた。じゃあ俺達も抜かせてもらうぜ。」 薄明かりの下で光る剥き出しの三本の刀。 視線は感じるのに誰も姿を現さないのは、近所の人達や通行人が物陰に隠れて傍観しているからだろう。 「おら、どうした?かかって来いよ、可愛い子ちゃん。」 ニヤニヤと挑発ばかりする揉み上げ。 こいつはまだ向き合ってる分マシ……マズイのは背後にいる細目だ。 あたしを見くびっている内がチャンス。 最初の攻撃が決まれば… 吹き出る汗は額から頬に幾筋も流れ雫が地面に落ちた時、あたしの足も一気に地を蹴っていた。 、
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