奇跡は突然やって来る。

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「またねじゃない!あたし、刀!あぶっ、危なかっ」 自分でも何を言ってるのか解らないほど、心臓がバクバクしてる。 だって一応刀握ってるのに、人間投げ付けたら危ないでしょおっ!? 「総司っ!」 ジタバタ暴れていたら上の男の人を退かせてくれて、その人の頬っぺたを叩いて起こそうとしてた。 見た目綺麗だから斬られた訳じゃないみたい。 「う…ん…、あ…近藤さ…ん……左之さん…と、新…八さん…あ…れ?…私…どうしたん…」 何度か叩かれてやっと目を覚ましたけど、虚ろな感じがする。 「気がついたか!」 「よし!俺はあいつを追うぜっ!総司を頼む!!」 「新八っつぁん!俺も行くぜっ!」 無事を確認してからまた慌ただしく、戦いに行こうと屋根に移る二人。 その時… 『ピイィィィィーーーッッ!!!』 笛の音に似ている甲高い音が響く。 「歳かっ!?」 「土方隊が来た!」 今度は覇気のある明るい表情になり、あたしは困惑するばかりだった。 「平助っ!総司を診てやってくれ!」 「はあ!?ちょ、待って」 こんな死体だらけの部屋に、また新たに知らない男達と一緒にいなければならないのが、堪らなく苦痛に思えて自然に体が動いていた。 、
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