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何て‥‥
何てキザな台詞を平気な顔で言えるんだ、この人は!?
優しさに慣れてないから、ここに来て戸惑う事ばかりで‥‥その上女の子扱いだとか、どう答えればいいのか解らないよ‥‥
黙ったまま俯くあたしに総司さんは、
「他の人達はどうか知りませんけど、私は‥‥雅さんが好きです。好きだから、守りたいんです。」
真剣な顔と声で告ってきた。
「す、好きって‥‥まだ会って一日しか経ってないじゃない。」
なのに、そんな簡単に人を好きになったりするの?
そりゃ世間では『一目惚れ』とかあるかもだけど、あたし達が出会った過程からすると、好きになる要素はどこにもない。
消えた仲間の代わりに血祭りの現場にたまたま飛ばされた、役立たずの女。
個人的には、意識のない総司さんを介抱しただけだ。
先程の態度から恐らく‥‥‥いや、絶対そうだと思ってたけど、いざハッキリ言われてしまったら凄く‥‥戸惑う。
「ここは危ない処です。嫌だといわれても、引き下がる気はありませんけどね。」
総司さんが味方になってくれるのは、正直心強い。
だけどそれは下心あっての事で。
「‥‥大丈夫です。見返りを期待してる訳じゃありませんから。見くびらないで下さいね?」
「え?‥‥はあ、まぁ‥」
あたしごときの浅はかな考えはお見通しらしかった。
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