奇跡は突然やって来る。

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「近藤さん!」 「総司!?やられたのか!?」 なんだかぞろぞろと、同じ羽織りの人達が入ってきて、かなりおっかないんですが…。 「いや、斬られてはいないようだが…戦いの最中ふらついていきなり倒れたんだ。」 近藤さんて人が説明した事で、あたしは思い出した。 「これってまさか…熱中症じゃないの?」 「熱中症?って…平助、なんだその格好は?」 借りた羽織りから見える洋服やブーツを指差して、あたしの顔を見てくる。 …もうそれいいから…。 いい加減げんなりだった。 「熱中症って言うのはね」 「無視かてめぇ。」 「凄く暑いとこにいて水分補給を怠ると、身体に熱がたまっちゃう病気なんだよ。」 「病気!?総司は病気だったのか!?」 本当に男かと疑いたくなるくらい綺麗な顔した男の人は、急に焦ってあたしに詰め寄ってきた。 「だから、暑さでやられたんだってば。これだけの暑さの中で激しく動いてたからじゃない?元々体調が悪かったのかも知れないし。それより、早く水持ってきて。飲む用と冷やす用ね。処置が遅れたら死んじゃう事もあるんだよ。」 そこまで言うと事の重大さがわかったのか、皆の顔色が変わった。 、
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