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全く解らないあたしを見兼ねてか山崎さんがもう一度、戸板の向こうへ戻れと言った。
戸を後ろ手で閉めVサインみたいに指を二本、目の前に立てる。
「おかしなトコ、ふたっつ程言わしてもらうで。まずは一番気になるんが‥‥生々しい素足や。」
「素足?‥‥ああ、コレ?だってお湯がめちゃくちゃ熱かったんだもん。」
ブスッとして口を尖らせながら下を向く。
指摘された素足とは、今着ている浴衣みたいなやつの裾を捲り上げ、帯のトコに挟んでいる状態だ。
「んな真っ白いほっそい足、太股まで見せとったら、女子やてすぐにバレてまうで。」
「えーー、‥‥ケチ。いいじゃん、ちょっとくらい」
「ケチちゃうわ、普通に考えてもあかんやろ。俺らの努力台無しにする気か、ボケェ。」
「ボケ言うな、チビ。」
「あ?」
ギロリと凄まれ渋々裾を下ろす。
「はい、これでいいんでしょ。」
「ハナから言う事聞いたらええもんを‥‥。次にやな」
ビシッと指された場所は胸辺り。
「何でそこがびしょ濡れで膨らんどんねん。お前は垂れ乳か?授乳中のおかんか?」
確かにあたしの胸からお腹にかけては、濡れて膨らんでるけどもさ。
これには深くて言いづらい訳があった。
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