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「ぐっ‥‥これにはのっぴきならねえ事情があるんでぃ‥‥」
「‥‥誰の真似やねん。」
かなり真面目に答えたつもりが動転して、べらんめえ口調になってしまった。
「ともかく!これはあたし個人の問題なのっ!ほっといてよ!!」
逆ギレ気味に横を擦り抜けようとすると、胸元に違和感があって。
あれ?今‥‥
胸に手を当て膨らみを確かめ、懐に突っ込んでまさぐり探す。
な、な、な、ないっ!?
ぐるんと振り向き山崎さんを見て目を疑った。
びろーーーーーん
惜し気も無く広げられたおパンとブラ。
「げ!?」
「どうかしたのか‥‥‥い?」
タイミング悪く心配して入ってきた井上さんが、一瞬眉を潜めた。
「何だい、それは?」
「未来のサラシと湯文字やて。」
「ああ、そうなん……は?女子の?」
あんまり当然のように言うから軽く頷いていた井上さん。
タイムラグが生じた後で下から上へと真っ赤に染まる。
その様子を見せられている本人の身にもなって欲しい。
「か、返して!」
手を伸ばす度ヒラリフワリと素早くかわされ、そうする内に人が集まる気配がしてきた。
焦るあたしは両手を広げて端へと追い詰める作戦をとったものの、またいつの間にか山崎さんの手にあった下着が消えている。
「ちょっと!どこにやっ」
「コッソリ干せばええんやろ?見つからんように俺がやっとくさかい、預らしてもらうで。」
そう言った山崎さんの胸がポッコリ膨らみ、生地もじんわりと濡れていて‥‥
「下着泥棒!」
「阿呆、泥棒違うわ。預かる言うたやんけ。」
「預けるなんて言ってない!」
「ごちゃごちゃ言いなや。こないなもん干しとるトコ、他の隊士に見つかったらどないすんねん。ちゃんと返したるさかい、」
「どうかしたのか!?」
「平助!無事か!?」
飛び込んで来た声は左之さんと新八さんのモノ。
目線を二人にちょっとだけ移して元に戻した時には、そこに山崎さんはいない。
ーーーーうっそぉーん!?
キョロキョロ見回す挙動不審なあたしに井上さんが、
「あの人はすばしこいんだよ。口は悪いけど親切のつもりらしいから、許してやってくれないかね?」
赤い顔したまま苦笑いを浮かべた。
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