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ぬああぁにぃーーーっ!?すばしこくて悪気が無かったら、許可無く下着をかっぱらっていいんかい、井上さんよおっ!!
罪のない井上さんに目玉を血走らせてガンたれたら、猛ダッシュで左之さん達とすれ違った。
「み、平助!?」
「怖っ!!」
「やーまーざーきぃーっ!どこだァァァ!!」
屯所中を走り回りノックどころか声もかけず、手当たり次第に障子を開けまくる。
「と、藤堂組長!?」
「どうされました!?」
激しい音を立て障子を開ける度に、ビックリした顔や怪訝な顔が呆然と見つめる。
「山崎はどこだ!!」
「ヒイッ!?」
「山崎見なかった!?」
「し、知りませんっ!」
「見てませんっ!」
そんなやり取りを繰り返しているうちに、
「うおおりゃああぁぁーーっ!」
「うおっ!?な、何だ!?」
辿り着いたのは土方さんの部屋で。
「やーまーざーきはぁーどこだぁぁぁー?隠し立てしやがったらタダじゃ済ませんぜぇーー?」
「…‥知らねぇよ、何だよそのおっかねえ面は。風呂はどうした?……山崎がどうかしたのか?」
「どうもこうも、あいつあたしの…‥あ、」
説明しようとして、この部屋にいるもう一人の存在に気付いた。
ゆっくりと振り向いたその顔は酷く不安そうなのに安心した風で、微妙な笑顔を作って貼り付けている。
「……総司、さん。」
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