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ほら、そんな中途半端な顔するから……こっちまでつられて頬が引き吊ったじゃん。
しかもめちゃくちゃ気ぃ使っちゃって、
「……本当にすみませんでした。…首は痛みませんか?」
「あははー、迷惑かけちゃってゴメンね~?あ、もうね、走り回れるくらいには元気だからさ~」
「……そう、みたいですね‥…良かった。」
「そうだよー、だから気にしないでね~」
よそよそしい口調で嘘までついてしまった。
だってこの人、何か告白めいたこっぱずかしい事言ってたんだよ?
思い出したら緊張しない訳ないでしょ。
その上ハズい失態までまんまと見せちゃったし……
早くこの場を立ち去るべく、
「あ、そうそう!迷惑と言えばさ、二人とも山崎さん見なかった?」
早口でまくし立てると、
「‥…いえ、こちらには来てませんよ。」
「山崎の野郎、また何かしやがったのか?」
土方さんが眉を寄せた。
「あの人ねーホンット、最低最悪なんだから!あたしのおパンとブラ」
勢いでチクりかけてハタと我に返る。
何を言おうとしてんだ、あたしは。
理由を話してもし他の誰かが奪い返してくれても、余計な恥かくだけじゃね?
思い直して、
「あは、あは、やっぱ何でもないっス!お話し中失礼しやしたー!」
誤魔化したんだけど、
「待ちやがれ。」
土方さんの厳しい声に引き留められた。
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