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抱えられたまま連れて行かれたのはあたし達の四人部屋で。
「あ、あれ?…あたし、土方さんとこで寝るんじゃないの?」
あたしを下ろしてサッサと布団を敷き始めた総司さんに尋ねると、
「今日もって言ってましたか?」
サラッと尋ね返された。
「へ?あ、いや…でも多分暫くあそこでって言ってたような…」
昨日の記憶では土方さんがそんな事を言ってたと…
「ま、いいんじゃないですか。何処で寝ようが危ないには変わりありませんし。」
…さっきまでの赤面は何だったのか。
何気に恐ろしい事を言った自覚はあるの?
どこで寝ても危ないなら、ここで寝ても危ないって事じゃん!?
「はい、敷きましたよ、こちらにどうぞ。」
「…こちらにって…」
嫌な予感は的中し、一組の布団の上で総司さんが寝転び…その横をポンポンと叩く。
ーーー何で添い寝!?
わからない、この人の思考が全く理解出来ない!
開いた口が塞がらず立ち尽くしていると無駄なフェロモンを垂れ流して、
「平助とはいつもこうやって寝てたんですよ。…さあ早くおいで?」
カマンカマンと呼んでいる。
…ちょいと待て。
「…いつも平助とはって…平助は男だよね?…何で一緒に寝てんの?」
もしそれが本当ならこの人…いや、平助もモノホンのおホモだちって事だ。
白い目で疑うあたしを見て、
「……チッ。」
とかね、品のない舌打ちが聴こえたのは気のせいですか?
しかも悪どい微笑みを浮かべて起き上がり、後退りするあたしを追い詰めてくる。
こ、これは!
『あ~れぇ~、お戯れを~』って展開じゃないの!?
、
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