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「ふーん…何か切ないよねぇ…」
「…切ない、とは?」
「だってさ、悪い人達を成敗するのが仕事ってか役目な訳でしょ?助けて嫌われるとか、すっごい損な役回りじゃない?」
でもそれにはそれだけの理由があって。
『抵抗するなら斬って捨てる』
確かにやり過ぎだとは思う。
ただここは喧嘩の道具が刀だから、助けに行って自分が殺されてりゃ世話ないし当然斬り合いになる訳で…
その結果、負けた方は傷付くし死にもする。
「だが、隊務とはそういうものだ。他人の目の色ばかり伺っていては、与えられた責務も果たせまい。心を鬼にしなければ、守れぬものもある。」
斉藤さんの言う事は間違ってないんだろうけど、未来っ子のあたしとしては悪人だから殺しまくってもいいって発想について行けない。
「けどさぁ…可愛いチビちゃん達に面と向かって言われるのって、結構しんどいんだもん。出来れば子供達には見せたくないなって思うよ。」
割と本気でヘコんでいたら、斉藤さんがまた微笑む。
「…そうだな、何もなければそれが一番だ。」
「でしょー?平和が一番だよねー。」
つられてお気楽に笑い返すと、斉藤さんは急にポカンとしてから口を押さえて噴き出した。
「な、何よぅ?」
「いや…ククッ、大した事ではないが…台詞まで似ているなと。」
「…どこが?」
「『平和が一番』、何度も聞いた覚えがある。」
「そうなの?でも土方さんは、真っ先に突っ込んでくって言ってたけど。」
「それとこれとは別なんだろう。自ら好んで喧嘩を売る訳じゃないが、そこは若気の至りってヤツだな。」
平助がどんな人だったのか聞いた時に、あたしも似ているなって思っただけに否定は出来なかった。
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