青天の霹靂

5/46

2279人が本棚に入れています
本棚に追加
/412ページ
結局は各自で食いたいモン食って来いって斉藤さんが決めて、ご飯が済んだらまた集まる事になったんだけど… 「アバウトだなぁ…」 個人で持ってるものと言ったら腹時計くらいだろうし、太陽の位置とかで何と無くらしいから、昔の待ち合わせって結構曖昧な感覚っぽい。 「あばうと?」 「あー、何か大雑把だなーって思って。」 「何がだ?」 「んー…どうせまた集まるならある程度固まってご飯行けばいいのに、皆見事に自分の好きなとこにバラッバラでしょ。揃うの時間掛かるんじゃないかなーと。待たせたりしたら喧嘩になんないの?」 山崎さんの時は強制的にお昼はうどんって決まったし、皆黙ってかき込んでたのに。 「いいんじゃないか、別に。飯の食い方は隊によってもまちまちだしな。それに残党狩りがある間は見廻り強化で、他の隊もいくつか出ている。焦る必要はあるまい…飯くらいゆっくり食わせてやれ。」 向かい合って座りお汁粉を啜る斉藤さんは、凄く寛いでいた。 …でも、何でご飯が甘味屋さんなんだ… 『甘味でいいか?』 二人になって聞かれた時、自分が食べたいような顔してさー。 目の前にどっちゃりと並べられた団子や葛餅達は、斉藤さんが次々に注文したもの。 嫌いじゃないけど、この人がまさかの甘党だったとは意外過ぎる。 ってか、この量…二人で食べれんの? 最初に会った時のイメージはどっちかと言えば、『激辛もノーリアクションでイケます』って感じに見えたのになぁ。 「…どうした、口に合わないか?」 お汁粉の椀を下ろして尋ねる斉藤さんの口の端には、小豆の皮がペトリ。 いい大人が真面目顔なのに子供みたいで、マヌケなギャップがちょっと笑えた。 「プッ…斉藤さんココ、付いてるよー。」 「…?」 伸ばした人差し指でそれを拭い、そのまま自分で舐める。 「うん、甘いね。」 、
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2279人が本棚に入れています
本棚に追加