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移動中情けない姿を晒したもののクスクスと笑われただけで済んだのは、ひとえに『平助のキャラ』だと思われていたからかも知れない。
そう気付いたのは土方さんのとこに着いた途端体を落とされて、斉藤さんの説教が始まったからだ。
「…いい加減にしろ、確かにお前は何もかも平助に似ているが、そこまで軟弱な奴じゃない。いいか?俺達は四六時中お前のお守りをする訳にはいかないんだ。何時迄も甘えてばかりだと、その内バレてしまうぞ。」
上から見下され、矢のように鋭い言葉はグサグサと胸に刺さる。
何を言われても仕方ないし、一々ごもっともだけど…めっちゃムカつく。
クソ…超甘党のくせに!出腹になっちまえっ!!
ーーーと、叫ぶ手前で土方さんの手が伸びてきて、腹這いの身体をヒョイと起こされた。
「まあそうは言ってもしゃあねえだろ。まだ慣れてねえんだからよ。…な?」
んで、頭をポンポンされ座るように促される。
「…副長、それが良くないと言っているのだが。」
「ああん?抱き締めた訳でも膝に乗せた訳でもねぇぞ?」
「……上がこれでは話にならん。…平助、今日は何もなかったのだから一人で報告出来るな?…俺はこれで失礼する。」
呆れ顔で深い溜息を吐き、斉藤さんは踵を返して部屋から去って行った。
今度はこっちがポカンとする番だ。
「…あの人、親切なんだか硬派なんだか…良くわかんないねー?」
「ククッ、違えねぇや。」
無理矢理連れて来て説教まで垂れたクセに。
『今日は何もなかった』イコール『怪しい奴は捕らえていない』
しっかりと自分の口で報告して行きよった。
ま、まさか…
「ぬおおっ!ーーツンデレか!?あれが噂に聴くツンデレキャラなのかっ!?む、むず痒いんですけど!!」
急に悶えたい気持ちになった。
「…つんでれきゃら?…つーか、未来言葉で俺に聞くなよ、否定も肯定も出来ねえだろーが。ってか取り敢えず落ち着け、気色悪りぃ動きを止めろ。」
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