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入る前に臭いを嗅ぎ、
「ゲロ…やっぱくっさぁ…」
外で大きく息を吸い込む。
遠目に見て、流石に血は洗い流されていると確認してから…
いざ、御開帳ーーっ!
入り口のすぐ側でしゃがみ込み、息苦しくなる前にさっさと中身を見る事にした。
あの日せめておニューを着用してれば良かった!
…なんて今更ながら、醜態続きにヘコむ。
丁寧に結ばれた二重結びを乱雑に解き、開けたそこには一日振りの見慣れた下着が。
上から順に手に取って、乾いたブラ、おパンをどけたその次に『例のブツ』らしき物を発見。
うっ…わぁー……こ、これは…
一枚ずつ摘まんでピローンと広げたら、赤、白、黒の三色が上下セットであり、それはそれは細かい作業で製作してあった。
おパンのゴムがない代わり、同じ生地で上手い具合に紐を作り上げ、両サイドに縫い付けてある。
こ、これはまさかの、立派な紐パン!!
…セクシーだけどある意味とっても残念な人なのだよ、山崎君…
ブラの方も全く同様に、形もサイズもしっかり測ったらしい作りだ。
でも…何でホックとワイヤーまで付いてるのさーー!?
こんな時代に生産されてる訳ないだろうし、もしこれまで自作だとしたら完璧コピー過ぎて超絶に怖い。
とゆーか未来で皆が使う下着のルーツは、もしや山崎さんがなんじゃないかと焦る程の出来栄えだった。
…女子力ハンパねぇ…
とか、驚きと感動に浸ってる場合じゃない。
呼吸を止めているのはもう限界で、畳む間もなくグシャグシャのまま風呂敷に包む。
「ぶはあっ!」
あまりの辛さに外の様子をチェックすらしないで顔を出し、新しい空気を肺一杯に吸い込んだ。
何度か深呼吸してやっと動悸が治まった頃、
「あー苦しかっ」
「…此処にゃ入るなって言っただろうが。」
左之さん以下数名が、あたしに大注目している事に気付いた。
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