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『平助』がこの組のマスコットキャラ的存在なのは、誰しも認めるところかも知れない。
でもここまでやっちゃうと笑えないし、騒動が治まった後…皆はどんな反応をするだろうか?
あたしは別に同性愛に偏見は無いけど、生活に支障が出るんじゃないだろうかと不安になったりもする。
だけど今は取り敢えず、
「ぎゃああぁぁぁーーーっ、誰か助けてえぇーーーっ!?」
アメフトじゃないんだよっ!?人をボール代わりにして走っちゃいかんだろ!!
後ろへ流れる景色の中に鬼の形相で走ってる土方さんと新八さん、左之さんがいるけど、助けるってよりは張り合ってるだけみたいで頼みの綱には程遠い。
振り落とされないように必死で首に腕、腰に足を巻き付けながら、総司さんの楽しそうな笑い声を耳元で聞いていた。
でもそれがピタリと治まるや否や、
「わっ!?」
いきなり急ブレーキを掛けて、足裏で少し滑りながら止まった。
「「「うおっ!?」」」
「ちょっ、うぎゃ!!」
同じく咄嗟に止まろうとした後ろの三人が間に合わず、順番にぶつかって来る。
そうなると幾ら何でも巨躯三体相手じゃ踏ん張れる訳なくて、総司さんはあたしを抱えたまま倒れ込んだ。
脳天トライしたらマジで死んじゃうよ!?
「くそっ!」
もうダメかと思った時、頭を抱え込んで、身体を捻った総司さんが背中から落ちた……けど。
……止まったの?
来るであろう衝撃は無く、不思議に思い見上げた先には何と山崎さんと山南さんが、二人掛かりであたし達を支えてくれてる姿が映った。
「ふぅ…危なかったですね。」
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