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不機嫌そうな本人に聞く勇気はないから、まだ至近距離にいる総司さんにこっそりと尋ねる。
総司さんは少し目線を上げて、
「山崎さんですか?確か三十…」
その先を思い出そうとしている風。
すると突然、
「ぐえっ!」
襟首を引っ張られ、勢いのまま誰かにぶつかり支えられた。
「誰だよ!?このヤ」
怒り心頭で振り向くなり待ち構えてたのは…思っくそ作り笑顔の山崎さん。
ーーーげ…何か怒ってらっしゃる?
冷徹な微笑みに背筋が凍る。
「…人の年を気にしている場合ですか?あなたは大事な事を忘れてますよね?」
「……へ?」
何の事やらと首を傾げるあたしの真上には…
「ーーあっ!俺の風呂敷!!」
総司さんに奪われたはずのモノが、何故か山崎さんの手にぶら下がっている。
「いつの間に!?」
「…油断も隙もねぇ…」
「相変わらず手癖の悪ぃ奴…」
「つーか、結局それは何なんだ?」
驚いてるのはあたしだけじゃなく、皆も目を丸くしていたけど…
「ああ、そう言やぁ…」
「それが原因なんだろ?」
「何入ってんだ?」
「見せて下さいよ、気になって眠れなくなりますから。」
いやあああぁぁぁぁーーーーっ!!
何故にまたもや大ピンチ!?
、
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