青天の霹靂

23/46

2279人が本棚に入れています
本棚に追加
/412ページ
とにかくこれで一安心。 …何て思うのは甘かった。 渡された風呂敷包みを大事に抱えた途端、 「それ、本当に何が入っているんですか?」 相当手癖の悪い総司さんが、また手を伸ばそうとする。 「いやもう、その下りマジでしつっこいから。人のモノ勝手に触るなって教わんなかった訳?」 ウザさも頂点に達しその手を払い除けると、総司さんは不機嫌そうに眉の間に縦皺を作る。 そこへ再び、 「総司…いい加減にしなさい。武士たる者弱たる者を助けよ、でしょう?」 山南さんが加勢してくれたけど…あたし的に『弱たる者』とは当たってるだけに結構キツい。 「…山南さんには関係ないじゃないですか。」 「そうでもありません。私も平助に用事があるので、いつまでもネチネチやってるあなたが邪魔なんですよ。」 「…………」 不貞腐れ文句タラタラの総司さんに、虫も殺さぬ仏の笑顔でピシャリと言ってのける山南さん。 ーーうわぁ、ど真ん中のストレート過ぎだろ!怖いわこの人っ!! 言われた本人どころか一同が凍り付き視線を逸らすとか、付き合いの超短いあたしでもこの空気は読める。 普段常識人で、穏和な奴ほど要注意。 …この先、山南さんには絶対逆らってはいけない、と。 、
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2279人が本棚に入れています
本棚に追加