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「…えっ!?」
「ん?」
目を見開きガン見する明里さんが、
「チュウチュウて、吸われたんどすか!?」
「うえ、え、ぇ、えっ!?」
急に膝立ちしてあたしの両肩を掴み、興奮状態でグラグラ揺らす。
こんな細腕のどこにこの馬鹿力が潜んでいたのか…
「皆ってどなたはんどす!?惚れっぽいて有名な局長はん!?それとも手ぇ早いて噂の土方はん!?…まさか、女子やったら見境ないいう永倉はんに原田はん!?」
「ちょ、怖っ!?明里さん、超怖っ!!」
いや、それ以前に…血走った目で鼻息荒くして、鼻血垂れてんのが大問題でしょうな。
さっきまでのお淑やかなお姉さんはどこ行ったんだあぁぁーーっ!?
にわか知識しかないあたしでもわかる。
「もしかして寡黙やけどあっちはお強いて専ら評判の斉藤はん!?」
「あう、落ち、落ち着いて…」
もしかしなくても明里さん。
「あっ、まさか!男色やいう武田はん!?」
「ああぁ、あうっ、山南さ、山南さーーーーん!明里さんが壊れたよおぉっ!?ヘルプミーッッ!!」
未来で言うとこの、腐女子ってヤツだ……っ!
「どうしました!?雅さ、…ん……」
助けを求める声に直ぐ現れた山南さんは、ぐでんぐでんに揺らされいるあたしじゃなくて明里さんを見て固まり、
「ああ…明里の悪い病が…」
呟きながら薄っすらと涙を浮かべて立ち尽くしていた。
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