青天の霹靂

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ドスドスドスドスドス。 「あ、藤堂組長、おかえりな…さい…」 「………」 ドスドスドスドスドス。 「お、お疲れ様で…」 「………」 ドスドスドスドスドス。 「うわ、すみま…怖っ!」 「煩いっ!ギャルに向かって何て言い草だよ!!」 「ヒイッ!?」 只今、擦れ違う隊士に手当たり次第八つ当たり中。 キレて叫んだとこで、触らぬ神に祟りなし…皆が遠巻きに離れて様子を窺う。 「…フンだ、腫れ物扱いですか、馬鹿野郎。」 ドスドスドスドスドス。 ご機嫌斜めを主張するかの如く廊下に足音を響かせ、ブツクサ言いながら急ぐ先は相部屋の自室。 辿り着くや否や、 「しゃっちないって何ですかこの野郎ーーーーっ!!」 スパーン!と豪快に障子を開け、 「うおっ!?」 「ひゃあっ!?」 「おっ、おかっ、おかえりなさい!?」 中の三人を驚かせてやった。 でもその驚き様は尋常じゃなく、わたわた何かを慌てて隠し部屋の隅へと逃げてゆく。 「……んー?何してたの?」 「いや、あの、早かったな?」 「そ、そうだ!肉っ、肉は美味かったか!?」 「だ、誰に会って来たんですか?」 矢継ぎ早にまくし立てる三人の顔は、何故だかトマトみたく真っ赤っ赤。 ……怪しい…怪し過ぎるぜ兄(アン)ちゃん達よ……
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