青天の霹靂

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「うわわっ!?」 ポイッて投げたら、新八さんがそれを慌ててキャッチした。 あーもー…無駄に疲れたし。 腰の刀を抜いて胡座を組むと、三人はどうすればわからない風に棒立ちのままだ。 見兼ねて、 「いーんじゃないって言ってんの。健全な肉体の男子だもん、そんなの持ってて当たり前だしね。」 気を使って言ってあげても、何とも気まずい顔をする面々。 「…だってよ、女の裸…見てたんだぜ?」 「普通はなぁ…」 「軽蔑しますよね…?」 モジョモジョモジモジしながら、あたしの顔色なんて伺っちゃってさ。 「後ろめたいなら二度と見てんじゃねーっ!なーんて」 「「「ハイすみません!」」」 面白いからビシッと指差してちょっと脅してやったら、どこの体育会系だよってくらい気合いの入った『気をつけ』の姿勢をして見せた。 これにはマジで苦笑い。 「いや、あのさ…ホントに嫌って訳じゃないからね?気にしなくていいからさ。」 「?…だから何でだよ?」 「何でって言われても、ねえ…」 だって浮世絵の裸だよ? こう言っちゃ何だけど、あたしのいた時代はコンビニとかでもエロ本やビニ本が売ってんのよ? しかも生々しいヤツとかグロいヤツまで、横を通り過ぎるだけでうっかり視界に入るというのに。 ついでに付けっ放しのテレビからは、ドラマでも上半身裸のラブシーンが流れてたりするしね。 AVとかならまともに観れないけど、浮世絵の裸じゃ芸術の類いには思えても、恥ずかしがる要素は皆無だから。 …って説明すんのも面倒だな…
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