2279人が本棚に入れています
本棚に追加
「いっ、つうーーーーっ!」
散々な稽古の後は、皆が夕餉をとってる内にお風呂を先に頂き、擦り傷や痣の治療の為、山崎さんの自室にやって来た。
「ほれ、サラシも取らんかい。」
「げ、ヤダよ!これ以上は無理っ!」
「阿呆か。俺かていくら何でも、患者の乳揉んだりせんわ。」
「揉ん!?」
両腕で自分の身体を隠すように抱き締めると、盛大な溜息をつかれた。
「…ホンマに阿呆やなぁ。ゆっくりやったらええのに、わざわざ一番厳しい副長はんに稽古頼むやなんて。」
「う……だって、知らなかったんだもん。土方さんがあんなに…豹変するとか…」
思い出しても身の毛がよだつ。
実はあの後稽古を続けて精魂尽きた私は失神しかけたんだけど、すかさずまた水をかけられて引き摺り立たされた。
そこに飛び込んで抗議してくれたのは左之さん達で、何とか土方さんを上手く宥めたらしいけど。
いやー……多分、暫くトラウマになるかも知んない…
「ええから早よう脱ぎ。一人でようせんのやったら、手伝(てつど)うたるけど?」
「いや…もう、そのお気持ちだけで充分っス。」
チミが信用出来ないのはその両手がね、ワキュワキュと変な動きしてるからだよ?
山崎さんには乳絡みで悪い印象しかないしね…
結局最後の防衛線は死守し、下半身も膝までの傷だけ手当てして貰うに至った。
最初のコメントを投稿しよう!