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「だそうだぞ、歳?」
次に土方へ視線が集まり、
「う、む…わかった。…よし!」
それは素知らぬ振りで、勢い付けて腰を上げる。
「今から平助んとこ行って様子見てくるわ。明日からの算段も話さなきゃなんねえし。」
「それより詫びが先じゃねえのー?」
「 ぐっ、…しつけえよ新八。わあってるっつったろうが。山崎、あいつの飯は…」
振り向いた顔は苦虫を潰したような渋い表情であるのに、その頬は照れもあってか少々赤い。
「は…これからですが。」
「そうか、なら…急くこたねぇ。…ちいっとゆっくり取って来い。」
ーー恥ずかしいんだな…
そこは皆も悟り、心中に収める。
「…承知しました。」
だが、
「付き合いましょうか?土方さん。」
わかっているのに、意地の悪い笑みを浮かべる沖田は、ついて行こうと立ち上がった。
「総司…てめえ、何だそのニヤけ面。からかう気満々じゃねえかよ、邪魔すんな。」
「えー、気のせいですって。私は見張りに行くだけです。」
「いや、ちゃんと謝るってんだろ。」
食い下がられ、土方は鬱陶しそうに眉を寄せたが、
「違いますよ。身動き取れない雅さんが、手篭めにされぬよう見張っておくんです。」
「だっ、誰が怪我人に手ぇ出すか馬鹿!!」
〝ゴチン!!〟
「いっーーたあーーっ!」
「それにあいつは『平助』だ!その名で二度と呼ぶんじゃねえぞっ!わかったな!?」
侮辱的な卑下た想像をされていた事に腹を立て、すかさず拳骨を落とし鼻息荒く部屋から出て行った。
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