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…えー…面倒くさ…
お見舞いに来て貰えるのは有難いが、如何せんあの連中は煩く騒ぎそうなので、素直に喜べないでいた。
それが顔に出てしまったせいか、
「そない嫌な顔したらんと、今日はしんどうても我慢しぃや。多分、これからどないするかっちゅう話しもあるやろしな。」
付け足して苦笑いする。
「これから?」
「せや、まだ稽古すんねやろ?…まさか、初日から無様な姿晒してもうて〝もうせえへん〟て駄々捏ねる気かいな?」
「…うぐっ…何でイチイチ心の傷まで抉るんだよ、アンタは…」
「何事も忍耐や。」
「…答えになってないし…白い歯キラーンって、爽やかぶんのもヤメてくんない?余計萎えるんですけど。」
「萎えるて何でや?現物生えてへんやん。」
山崎は左手で膳を持ち、右手で一部を指差す。
「…うわウゼー、下ネタいらねえぇー。さっさと消えろ、ゲスゲスゲス。」
「そこ、三回も言わなアカンとこか?傷つくわぁ…」
本気で白い視線を送ると、ヘラヘラしながら一旦部屋を出かけ、
「ホンマ、からかい甲斐のあるやっちゃ。…まあ、肩の力抜いて気張りや。皆アンタの事好いとんのやさかい、協力は惜しまんと思うで?トコトン、甘えたったらええんや。」
一方的にそう言って障子を閉めた。
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