2279人が本棚に入れています
本棚に追加
けどなまじ惚れた女と同じ顔してやがるから、ハムスターや兎の類いに見えて癒されているのもまた事実だ。
「…しょうがねえなぁ、洗濯干したらお前の夏服でも買いに行くか?」
だから、ちょっとだけ付き合ってやるか。
もし俺が逆の立場で江戸時代に飛ばされでもしたら、やっぱ先の事考えて色んな知識を得たいと思うだろうし。
「ふぉんふぉ!?ひゃっはぁーっ!……あ。」
「…てめえ…とことん行儀の悪りぃ野郎だな…」
飯を頬張ったままはしゃいだ平助は、向かい合わせに座る俺の顔面に米粒を飛ばし固まる。
これが雅でも怒るぞ俺は。
凄んで睨むと急に咀嚼を早め、丸聞こえにゴクッと飲み込んだ。
「ご、ゴメン…ね?そんなに怒らないでよぅ~」
伸ばされた手が顔についた米粒を摘まむように取り、それを自分の口に持って行きペロッと舐め取った。
「ーーっ!」
シュンとしおらしくしょげたかと思えば、ドキッとするようなエロい言動もする。
チクショウ、新婚さんかっ!
「…もういい、ごっそさん。…ちょっくら一服してくるわ。」
「えーっ!ゴメンてばっ、怒っちゃやーだぁー!」
「…怒ってねえから、さっさと片付けろ。早く終わったら後でアイス食わせてやっから。」
「えっ!あいす!?や、やるやる!やるから後であいす絶対買って!!」
「ハイハイ…」
テーブルを乗り越えんばかりに身を乗り出そうとするのを餌で従わせ、そそくさとベランダへ逃げた。
最初のコメントを投稿しよう!