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「平~助君っ、あっそびましょ~!」
九月に入って間もない頃、すっかり怪我が治った新八さんは稽古の合間に、あたしをからかいに近付いて来た。
「…ヤダよ。新八さん、加齢臭するもん。」
素っ気なく返すと、
「なぬっ?俺様が…華麗衆とな?いやぁ~参った参った、わかる奴にはわかっちまうんだよな~この肉体美の真骨頂ってヤツが。」
木刀を放り出し、元からムキ出しの筋肉をひけらかす。
上腕二頭筋は盛り上がり、腹筋はクッキリ割れたシックスパック。
そこまでなら『凄いね』くらいは、付き合いで言ってやっても良かったのに。
胸筋をしつこくビクビク動かすもんだから、まるでエイリアンとか未知の生物が寄生してるようにも見えてめっちゃキモいんですけど。
とんだ幸せな勘違い野郎を冷めた眼でシカトしていると、
「…何やってんだ、お前ら。」
「ちょっと新八さん、平助にへんなモノ見せないで下さいよ。眼が腐るじゃないですか。」
鬼の副長は額の汗を拭いながら呆れて、天才剣士は扇子を扇ぎ不機嫌ヅラでやって来る。
「…お前らって、こんな露出狂の変態と一緒にしないでくんない?」
「あれ?俺、貶されてる?何で?」
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