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何もわかっちゃいない…いや、わかっててワザと恍けてんのか?
もしかすると実は日本人初のボディービルダー、伝道師になり得るかも知れない新八さんが、未来では御馴染みのポージングでぐりんと振り向く。
その顔はふざけてんのかってくらい、アホヅラで。
「…うざっ。」
あたしの中にあるモヤモヤを突き、加虐心を煽って下さる。
「ヒドッ!?…総ちゃ~ん、平助君が冷たいわぁ~」
懲りない新八さんは、よよよ…と芝居がかったしなりを作り総司さんに寄り掛かった。
「気持ち悪い病が移るので、私に触らないで下さい。」
「うおっ、」
でもそれも、あっさりスルーされてるし。
「チェッ…お前らはホンット固っ苦しいんだよなぁ。左之だったら一緒に遊んでくれんのによ~」
そう言って唇を尖らせる仕草は、百歩譲ってノリでも『可愛い~』なんて、口が裂けても言いたくない。
つーか、皆と違ってあたしには遊び相手をする余裕なんてこれっぽっちもないんだから、放っておいて欲しいってのが本音だ。
「ああ…そう言えば左之さんとはじめ君は、見廻りに行ってたんでしたっけ?」
「そうそう、何かよ~近頃左之がいねえと羽目も外せねえんだよなぁ。平助が居た頃にゃあよ、もっとこう賑やかで」
「新八さん!」
「あ。」
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