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こいつは一体、何がしたいんだ!?
この緊張感漂う中で一人だけ満足気にドヤ顔しながら、素早く井上さんの背中から離脱する。
「という訳なんだが…」
ーーー早っ!順応性早過ぎでしょ近藤さん!!
まだ目を白黒させるあたし達はスルーして、山崎さんは局長と副長二人の前に座り、
「山崎君が一緒なら尚心強い。道中頼んだぞ?」
「ハイ、心得まして候。」
あっという間に山崎さんの監視付きで、あたしの江戸行きは決定した。
…茶番だ…
これって、仕組まれてた茶番劇だったんだ…
完全に怒りの矛先を失った左之さん。
ただ唖然と成り行きに流されていくあたし。
そしてそのまま二人の感情だけを置き去りに、その後は他に同行する希望者が数名決まって、すんなりと解散となってしまった。
「うわあぁーーーーん!土方さんの馬鹿っ!ナルシーの露出狂の自己中のくせに何様のつもりだぁぁーーーっ!!何であたしが顔も名前も知らない奴の為に、江戸まで行かなきゃなんない訳!?」
勿論ね、皆がいなくなってから直談判してやりましたよ。
あたしは土方さん、左之さんは別室で近藤さんに。
「……なるしぃってのは何だ?…まぁいい、取り敢えず落ち着け。…ついでに鼻水も拭け、な?」
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