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あたしはあんたらの子供でも無けりゃ、ライオンでもないんだけどね!?
と、節穴の目を潰し、声を大にして責めてやりたい心境だった。
…が、山南さんの正体は…実は此処の裏ラスボス。
メデューサ並の闇オーラを持ち、逆らおうものなら石化されて瞬殺だ。
「………」
言葉を失ってしまい、悲観に暮れるあたしの眉間は更に酷く皺が刻まれた。
「んで、そん時に近藤さん達が付けた条件ってのが、山崎の同行だな。」
だから、何で山崎さん?
「ちなみに他の奴にも同行を募ったのは、試衛館出身の俺らは全員何らかの役職についてんだろ?また俺らばっかで動いてっと、気に食わねえって輩もいっからよ、要らぬ反感買うべからずって訳だ。」
「…ふぅん。」
延々と長い説明に、正直ウンザリしていた。
言われてみれば、わからないでもない事もある。
けどさ、選択の余地も与えられないあたしの立場って何?
江戸なんて、ちょいとで行ける距離じゃないじゃん。
あたし体力はある方だし、この数ヶ月間頑張ってみたけど…所詮はにわか仕込み。
脳みそ筋肉バカ達の思考はどうやら、あたしを根っからのアスリートと勘違いしているらしい。
そして、あたし一人から買う反感なんて痛くも痒くもないって所か。
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