奇跡は突然やって来る。

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「西暦って言や、異国の年号の呼び方だろ?俺も知らねぇや。」 「…そうなんだ…。」 ガックリと頭を垂れ、肩に頬を乗せる。 「平助は難しい事知ってんだな。」 「…知らないから聞いたんだよ。」 一瞬ギクッとしたけど、曖昧にごまかしておいた。 そっかぁ…西暦わかんないんじゃ、何年前かなんて計算も出来ないんじゃん…。 頭をグリグリ動かしてたら、 「く、くすぐってぇ。…何だ平助、眠いのか?」 左之さんが首を捩って抑えつけて、あたしの頭の動きを止めた。 「…違うけど…。」 溜息をつくとそれが首筋にかかったらしくて、左之さんが、 「ヒッ!?」 変な声を出した。 「…もしかして首ら辺弱い人なの?」 いけない事をした気分になって体を離したら、 「左之はくすぐったがりだからな。」 新八さんがケラケラと笑っていた。 「うるせぇよ。平助、いいからくっつけって。」 「あ、そうだった。」 あたしの服を見られたらヤバいんだった。 でも髪の毛の色はこの人達言わないんだ…なんで? もう一度ムギュッて抱き着いたら、 「うおっ!」 また左之さんが変な声をあげた。 、
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