時は金なり試練は愛なり

24/26
前へ
/412ページ
次へ
まさに鬼小姑と化した山崎さんはいきなりあたしの腕を掴み、引き摺るように歩き出す。 この状況がどれくらいの期間続くのかと思えば、土方さんよりは更に重度の胃痛になりそうだ。 ってより、つるっぱげになるかも。 そしたら尼さんになるっつって、こっから出るのも有りだな…なんてね。 くだらない事を考えてる内に履物まで山崎さんに履かされて、皆の待つ門のトコまで強制連行されていた。 「遅いぞ、平助。」 「ったく、トロくせえなぁ…目上のモン待たせてんじゃねぇよ。」 注目を集める中、ニッコリ爽やか笑顔で注意を促す近藤さんと、渋い顔でふんぞり返り説教を垂れる土方さんとのこの差ときたら。 「…ハイハイ、すみませんねぇ。居残り組の土方さん。」 「ああん?てめえ、喧嘩売ってんのか?」 機嫌の悪さが相乗効果を発揮して、朝も早よからガンくれ合い一瞬即発な雰囲気のあたし達。 「ま、まあまあ二人共、そこまで鼻息荒くせんでも…なっ?」 「そうですよ。特に土方君、あなたこそ目上ならば些細な事で目くじらを立てず、どっしりと構えていてはどうです?」 「う…」 そこに近藤さんと山南さんが割り込んで土方さんがちょっと怯み、 「副長、他の隊士達もおります故…そのように稚拙な発言は極力控えるべきかと。」 「ぐぬ…」 何処からか湧いて出て来た斉藤さんが、さりげなく攻撃力の高い必殺コンボをかましてくれた。 へっ、ザマァミロ。
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2279人が本棚に入れています
本棚に追加